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昔は高級なお菓子だった!?戦国武将も認めたかりんとうの由来や歴史
カリっと歯ごたえがあって甘いかりんとう。
最近はかりんとうの専門店もたくさんあり、定番の味から変わった味までバリエーションも豊富になってきていますよね。
いろんなお店のかりんとうを食べ歩く「かりんとうファン」の人もいるのでは?
お店ごとに形や大きさ、風味や食べごたえもさまざまです。
贈り物としてもぴったりで、家族みんなで食べるおやつとしてもおすすめです。
今日はそんな「かりんとう」の起源に迫っていきます。
由来や歴史には、どのような背景が隠されているのでしょうか?
名前の由来は「カリッ」とした食感から?それともかりんの木から?
かりんとうの由来、歴史についてはまだはっきりしていないところがあり、説も複数あるようです。
有力な説としては、奈良時代に遣唐使が中国の唐から唐菓子を伝えたことが、かりんとうの起こりだというものです。
その後、京都では高級なお菓子として発展していき、徳川家光の時代に江戸でも人気が出るようになります。
当時はまだ「かりんとう」という名前がつけられていませんでした…。
どうして「かりんとう」と呼ばれるようになっていったかというと、これにも2つの説があります。
1)食べている時にカリカリと音が鳴る事から「かりん糖」→「かりんとう」となった
2)花林の木の色に似ていたことから「花林糖」→「かりんとう」となった
個人的にはどちらも納得できるのですが、1)の説の方が好みです。
かりんとうの歴史は中国の唐から伝わったことがきっかけ?
かりんとうは、中国の唐に遣いに行っていた遣唐使が、帰国した時に一緒に持ち込まれたお菓子という説が有力です。
その後は京都を中心に、高級なお菓子として知られるようになっていきました。
日本では当時、まだ砂糖を加工する技術がなかったため、砂糖は国内で生産することができず、遣唐使が少しずつ唐から持ち帰って薬として使われていました。
このため、お菓子の甘さをつけるために使われていたのは砂糖ではなく、甘葛煎でした。
このようにして、京都を中心に広がっていった唐菓子は、「上菓子」として江戸にも持ち込まれるようになります。
戦国武将の織田信長や豊臣秀吉、遠山のきんさんやシーボルトなども、かりんとうが大好きだったそうですよ!
このような歴史上重要人物にも認められるお菓子だったのですね。
唐菓子はやがて、国内の菓子文化に大きな影響を与えるようになり、日本菓子と唐菓子の合作も作られるようになります。
江戸人が好む雑菓子も一般庶民のために作られるようになりましたが、その中に、小麦粉をこねて棒状にし、油でカラっと揚げたお菓子がありました。
当時は「かりん糖」という名前はついていませんでしたが、形や味は今で言うかりん糖そのものだったのです。
江戸市でブームになったと言われています。
明治には浅草仲見世の飯田屋が、棒状のものに黒砂糖をまぶしたものを販売し、素朴でシンプルな甘みが大衆の舌に馴染み、次第に人気が広がっていきます。
どうして黒砂糖で甘みをつけたかというと、江戸時代末まで、白砂糖は上菓子など高級なお菓子にしか使う事ができなかったから…という背景があります。
ちなみに関西地方では、「オランダ」と呼ばれていたお菓子がかりんとうだったそうです。
かりんとうの意味や定義
味や形に関係なく、小麦粉などの穀類を水でこねて、油で揚げたものがかりんとうの定義とされています。
かりんとうの主な材料は、砂糖や黒砂糖、小麦粉、イースト、植物油、水飴です。
これが一番シンプルなかりんとうですが、胡麻やでんぷん、小麦胚芽、卵殻カルシウムを混ぜてアレンジするなど、工夫次第でバリエーションを広げやすいお菓子とも言えるでしょう。
基本的な作り方としては、小麦粉に砂糖を加えてよく練って、短い棒状にして油で揚げます。
黒砂糖などをまぶして仕上げたら完成です。
ちなみにかりんとうと一緒に、ほうじ茶を飲むのがおすすめだそうです。
かりんとうを口の中で噛み砕き、ほうじ茶を飲んで消化しやすくしていくと、うまみが口いっぱいに広がっていき、日本茶と合わせた時よりもおいしく感じると言われています。
かりんとうの語源
かりんとうの語源にはいくつかの説があり、いまだ定かではありません。
ある説によると、花林の木の色に似ていたことから「かりんとう」になったという説があります。
また一方では、江戸人の気取らない性格を、「カリカリ」と表現し、「かりんとう」と簡単なネーミングにしたという説もあります。
味や食感もさまざま!かりんとうの面白い種類
昔は黒砂糖を使ったかりんとうが主流でしたが、最近は基本のかりんとうに手を加えて、お店オリジナルのかりんとうも生み出されています。作り方や味もさまざま。
斬新なアイディアで作ったかりんとうの種類もありますよ。
・シナモン
・わさび
・蜂蜜
・パプリカ
・青のり
・レモン
・カレー
・きんぴらごぼう
・チョコレート(周りにチョコレートをコーティング)
・朝鮮ニンジン
・紅いも
・ゴーヤー
・もずく
中には想像できない味もありますよね。
きんぴらごぼうや紅芋、蜂蜜のかりんとうは想像できても、レモンやわさび、もずくのかりんとうは想像できません。
ユニークなアイディアで作られたかりんとうは、風味も食感も、私たちよく知るかりんとうとは違っていて、新鮮でしょう。
ぜひ色々なかりんとうを試してみてくださいね!