羊羹とういろうは似ているけれど全然違う!?ういろうの背景にある歴史や由来

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羊羹とういろうは似ているけれど全然違う!?ういろうの背景にある歴史や由来

ういろうと言えば名古屋の名物としても知られる和菓子です。

見た目は羊羹とあまり変わらないように見えますが、ういろうの方がもっちりねっちりとしています。

羊羹は小豆を使ったものが主ですが、ういろうにはいくつか味があり、その味ごとに色も違っています。

ういろうの主な材料はうるち米から作られる米粉です。

そのため、羊羹よりもモチモチした食感にできあがります。

長い棹状のういろうを切り分けて食べるのが一般的でしたが、最近はひと口サイズで食べやすいものも出てきました。

味の種類も豊富になってきていて、お店ごとに個性も豊かです。

「ういろう」を漢字で書くと「外郎」。その名前の由来とは…

ういろうを漢字で書くと「外郎」となります。

あまり聞き慣れない人も多いでしょう。

外郎は本来、薬の名前として使われる言葉です。

中国の元の国の「礼部員外郎」という役職に就いていた陳氏(陳宗敬)が、応安年間(1368~1374)に日本に渡り、それ以来代々医業として、「外郎家」と呼ばれるようになっていきます。

そして「透頂香」が外郎と通称されて普及していったのです。

和菓子の「ういろう」が外郎と表記されるのは、外郎家が製法を伝えたためという説があります。

その他には、黒砂糖を使ったことから色が透頂香に似ていたためとも言われています。

現在ういろうは、愛知県名古屋で有名な和菓子となっていますが、愛知県の外郎製造の元祖は「餅文」こと水谷文蔵で、販売開始したのは1864年のことでした。

ういろうの歴史~薬にちなんで「ういろう」になった

ういろうの起源は、1368に遡ります。

当時中国では、元王朝から明へと変わる政変のさ中でした。

そこに、陳延祐という人がいました。

陳延祐は大医院礼部員外郎という役職で、今で言う厚生省の役人のようなポジションでした。

陳延祐は後に、日本に亡命し、九州の博多に上陸します。

そして陳延祐という名前も改名し、陳延祐から陳外郎という名前に変えたのです。

陳外郎を中国読みすると、「えんういろう」となります。

陳外郎は医者としての知識も豊富だったため、日本で透頂香(とうちんこう)という薬を開発し、販売し始めます。

この薬は咳や痰を鎮静させるのに効果的な薬でした。

薬は評価され、世間にも広まるようになりました。

透頂香という薬でしたが、陳外郎さんの薬ということで、「外郎」という名前で通っていました。

そして陳外郎家は薬に強いとして、陳外郎の子供だった大年宗奇が足利義満に呼ばれ、京都に移住します。

その後もずっと京都に住み続けますが、1600年になると、外郎家は途切れてしまいます…。

しかし陳外郎の分家が北条早雲に呼ばれ、小田原に引っ越します。

そして外郎家は、いまでも小田原で続き、薬の外郎を販売していきました。

これが本来の「外郎」についての歴史です。

しかし、どうして薬のニックネームとしての外郎が、現在の和菓子「ういろう」にも使われるようになったかというと、薬の外郎に、形や色がよく似ていたことからだと言われています。

また、外郎の口直しに用いていたことからという説もあります。

ういろうの意味

ういろうは、うるち米やもち米の粉に、黒砂糖や水を混ぜて型に入れて作った蒸し菓子です。

外郎餅ということもあります。

ういろうの語源は外郎薬にあり

ういろうの語源は、痰や咳、口臭に効果があった薬「外郎薬」です。

色や形が似ていたために、現在のういろうも、「外郎」と表されるようになったのです。

ういろうの基本は黒糖ういろうでも他の種類も続々と登場

ういろうは米粉などの穀粉に、砂糖と湯水を練って型に注いで作ったものです。

蒸籠で蒸して作るため、モチモチに仕上がります。

穀粉として使われるのは、主に米粉や小麦粉、ワラビ粉などです。

室町時代からよく作られていたういろうは、黒砂糖を使った「黒糖ういろう」でした。

これが最もスタンダードなういろうと言えるでしょう。

甘くするのには黒砂糖の他、白砂糖や小倉餡を加えることがあります。

アクセントとして抹茶を加えたういろうもあり、緑色のういろうを見かけたら、それは抹茶味のういろうです。

現在、和菓子店などで扱われているういろうは、羊羹の仲間として売られることが多いです。

また、ういろうの皮で餡子をくるんだ上生菓子や、ういろうを使った和菓子のちまきも登場しています。

京都では、6月の夏越祓(なごしばらい:半年分の汚れを落とす行事。その後の健康と厄除けを祈願する。)に、白いういろうに大納言小豆を乗せたものを三角にカットした「水無月」を食べる風習もあります。

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